「にんじんって、おいしい」、その気づきを多くの人に
世界中の人が食べ物を通して健康になれる社会を実現したい
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にんじん嫌いが生んだ、こだわりのにんじんジュース
自給自足しようと農業に興味を持った水野浩司さんは、2005年から8年間、茨城で農業を営んだ。いまは作付けする品目を絞っているが、新規就農者が生き残るには特徴が必要だと思い、当時は50品目くらいを有機栽培し、野菜ボックスとして販売していた。
当然、にんじんも作っていたが、実は水野さんは子どものころから大のにんじん嫌い。ハンバーグの付け合わせのグラッセがイヤで仕方がなかったという。しかし、収穫した無農薬のにんじんを生で食べてみたらおいしくて、「にんじんがこんなにおいしいんだ」と驚き、いまはにんじんジュースも販売している。自然の材料で作っているので、時期によって味が異なり、雪が降る時期は特に甘くなるという。
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農業を通じた壮大な夢をかなえたい
世界中の人が食べ物を通して健康になる社会が実現すればいいと思っています。 その小さな一歩として僕らはこうやって農業をしています。消費者の方たちに、「元気になったよー」「体調が良くなった!」と言ってもらえて、彼らの幸せにつながることが自分たちの幸せでもあります。「ここのにんじんジュースしかもう飲めない」「食事代わりです」とおっしゃっていただいたこともあります。直売会で販売するときに、にんじん嫌いだという子どもたちが、「これだったら飲める」「おいしい」とお母さんに話す言葉を聞くと、喜んでもらえているんだなと何よりもうれしく思います。
地道に続けていけば、壮大な目標に近づいていけるかなと思っています。
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わずか2日でプロポーズ。いまは茨城から青森へ
夫が茨城でやっていた農業体験会に友達と一緒に参加しました。当時、私は東京で働いていたんですが、火を起こしたり、収穫したものを調理して食べたりする体験がすごく楽しかったんです。
食べものがどういう風に作られているかを知って、自分で収穫して食べるとおいしいんです。だから小さくてもいいので家庭菜園やプランター栽培などで作る喜びを知ってほしいと思います。
ちなみに、夫と初めて会ったのは農業体験会だったのですが、2日後に「ここに住んで一緒に農業やろう」と言われて、びっくりしました(笑)。結婚後しばらくは茨城で農業をしていましたが、2013年に私の祖父母の牧場がある青森へ移住しました。牧場で馬と憩い、畑で汗を流す日々です。