職業としての農業を創造する
「若い俺たちが次世代につないでいく農業の礎を、この地で作りたい」
-
就農して3年で1000万円の売上を
坂下さんは大学を卒業し、外資系製薬会社に3年間勤めた後、脱サラして海外の旅に出る。一生サラリーマンをやり続ける自分の姿を想像できなくなったからだという。アラスカやヒマラヤなど自然環境の厳しいところで暮らしている人を見て、自然を受け入れながら生きていくのは素晴らしいと感じ、帰国後に農業を志す。
研修中に試作段階のおいしいトマトを販売したところ、みんなが感動して買ってくれたという。「トマトって人を感動させることができるんだ」と感じ、普段の生活の中で小さな感動を与えられる幸せに気づき、本格的に農業に参入。サラリーマン時代に稼いでいた年収1000万円を3年で目指すことに決め、なんと実際は２年で達成させた強者だ。
-
日本に貢献したいという気持ちをこの地で実践
自分の子ども世代の「職業」の選択肢に「農業」が入っていて欲しいですね。「おじいちゃんじゃなくて若い人が農業をやっていることに驚いた」と地元の小学生に言われて衝撃を受けたんです。子どもたちには、若者が農業で生活しているのが信じられなかったんでしょうね。農業は生計を成り立たせる業としての認識が薄く、職業と思われていないことがショックでした。
いま、40〜50代の層が薄く、IターンやUターンで田舎に定住する30代の若者が増えています。この南アルプスの地で、若者とともに職業としての農業の礎を作り、地域の農業を次世代につないでいく活動をしていきたいと思います。