今よりうまい豚を求め続けて
一頭まるごと責任を持つ。だからこそできることがある
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人がうまいと言ってくれる。それが嬉しい
ファーマーズ・マーケット ブリオ。石川養豚場の社長である石川安俊さんが平成2年に掲げたファーマーズマーケット構想により、平成12年に完成した施設だ。そこでは自社で育てた豚肉が販売されている。隣のバーベキュー場では食べ放題を楽しむこともできる。石川さんの思いは「自分たちが作ったものを、余すところなく食べてほしい」ということだった。
あたりまえのようで、難しい。肉には部位ごとに人気の差があるからだ。人気がなければ、売れない。売れなければ、捨てられる。手塩にかけたおいしい豚肉を、どうすれば無駄なくおいしく食べてもらえるのか。その答えは、「飼育から販売までを一貫して手がける」というものだった。「うまい!」その言葉を聞くと鼻が高いと石川さんは話す。
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血統とエサで、品質をコントロール
品質を安定させるために一番いいのは自分たちで全部やるということです。社内で味のフィードバックがすぐ受けられる状態にしています。職人がついていて、今日の肉はどうだった、と。そうやって私は血統を考えていきます。肉の油はものすごく遺伝性が強いので。
エサについては、たとえば魚粉なんかを使うと、魚の匂いがつくんですね。肉骨粉なんかも独特な匂いがついたりアクが出たりします。なので動物性蛋白は使っていないです(試験的使用時を除く)。肉がきっちりしまると、コクと甘みのある肉になります。今よりうまい肉を作るのが、私の夢です。