自分の求める味を実現するために研究し続ける
日・水・土の恵みを大切に
-
デパートにも売っていない、おいしいものを。
「瀬戸プリンセス」「しまなみキング」という柑橘をご存知だろうか。リバーファームで販売しているこれらは、一般小売店に流通していない。すべて自社販売で、進物用専用のためお歳暮の時期に収穫量の９割を販売するというから驚きだ。
農業の厳しいところは、スモールスタートが難しいところだと梶川さんは語る。効率的に取り組むには、はじめから大きな面積と大きな施設・機械が必要だからだ。「農業経営者として、経営が成り立つかどうかを一番大事に考えている」という梶川さんは、デパートに売っているものよりもおいしいものを作って売ろう、そう決意して就農した。
-
環境と品種を見極めた栽培
就農して13年になります。値段は少々高いですが、ここにしかない味を作るというのが私のコンセプトです。そのためには、土地環境に適した品種を選ぶ必要がありました。
「みかんは収穫前に水を与えないようにすると甘くなる」というのはご存じの方も多いと思いますが、私の畑は日当たりは良いのですが粘土質のため保水力が高く、それができません。むしろ逆に通常の栽培方法よりも多く水を与えることで、みずみずしく甘い果実を育てています。日当りのおかげで木が元気よく育ち光合成をするからそれが可能なんですね。農業は自然の力が8割、残り2割が人間の力だと思っています。木を見て、土を見て、努力して世話をする。今年より来年のほうがより美味しくなるよう、日々研究です。