岩本 一男
岩本 一男さん
高知県四万十市主な生産物:しいたけ
山で稼ぎ、山に還す。その循環を創っていきたい
自身が里山を保全することで若者が集い、彼らとともに山に入っていく。しいたけ栽培はそのきっかけになった
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一口の衝撃が、ここまで駆り立てた
「30歳を過ぎた頃に、しいたけを生産者さんからいただきまして。子供の頃からしいたけ嫌いだったので参ったなと思ったんですけど、焼いて食べたらうまかったんですね。それがきっかけですね。なんなんだこのうまみは、今まで損してたなと思っちゃって」
岩本一男さんは、しいたけの味をきっかけに山での仕事を営むようになった。生まれ育った地元の里山で木を切り、しいたけを栽培する。そうすることで、野放しでは荒れてしまう山は蘇り、人と自然の調和・循環が生まれるのだ。
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自然の中で育てたものにこだわりたい
自然や里山に関心がありますので原木でしいたけを育てています。元々この四万十川流域というのは何十年か前まで原木しいたけ栽培のすごく盛んな地域だったと幼い頃に耳にしました。施設栽培ではないため、天候などの環境に左右されることが多く、今年はこれでダメだったから来年はこれを生かそうとかそんな感じで日々研究ですね。
原木栽培は、先祖代々育ててきた木を切って行うわけです。木を切ると山は若返ってきます。切るとそこから新しい芽が出て、10年後20年後にまた木が育つ。そこに携われるのは楽しいです。自分が楽しむのが一番ですが、私のまわりでは山に入っていく若者が増えています。同じように考えている人も多いのかもしれません。