福井農園
福井 悠佑さん
京都府京都市主な生産物:京せり
子どもに食べさせたい新鮮でおいしい野菜を
きちんと勉強して、突きつめて考え、柔軟に取り組んでいく
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伝統野菜の京セリをもっと食べていただきたい
京都市内の豊富な地下水に恵まれた低湿地で、福井悠祐さんは京セリを湧水栽培している。セリ田の水面には自然繁殖する水草が輝き、光の透過を防いで茎が白く美しい京セリができる。ほかにも、エコファーマーの認定を取得した九条ネギや、有機肥料で食味が向上し、「昔のトマトの味がする」と言われるトマトなど、お客さんに好評だ。
春の七草として親しまれているセリだが、いま、京都の中央市場でも京セリの生産者は5軒くらいに減っているという。「七草粥ではなくセリだけでも十分、胃腸を整える効果があるんですよ」
祖父の代から農業を始めて3代目、農業学校で原理原則から有機農業を学び、京野菜検定で資格も取得した福井さんは笑顔で語った。
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時代ごとに変わる農業への需要に応えていく
子どもが安心して食べられる新鮮でおいしい野菜を作ることに主眼をおいています。人体に影響があると海外では基準が設けられている野菜の硝酸態窒素は日本では規制がありませんが、僕は数値を計り、野菜が適正な状態に保たれているか定期的に検査しています。植物の調子を突きつめられる農業は僕の性に合っています。最近子どもが生まれ、自分できちんと作ったものを食べさせたいという気持ちが強くなりました。
農業に求められることは時代ごとに変わってくると思います。都市化が進んで住宅地が増えるなか、農業を景観として楽しむ方もいますし、子どもと収穫体験をしたいという声も聞きます。そういう需要に答えられる農業をやっていきたいですね。