木が「芽を出そう、伸びよう」とする力を妨げない
安定的に高品質なブドウが取れるようにするにはどうしたらいいかを考える
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世界に通用するワインを作りたい
楠茂幸さんがワイン留学先のオーストラリアから故郷須坂市に戻ったのは2004年。今後の人生で、ものづくりに挑戦したいと考え思い至ったのが「世界に通用するワインを須坂で作る」ということだった。ブドウ栽培学・醸造学の留学を経て、日本では栽培がうまくいかない、と言われていたヨーロッパ品種のブドウ栽培を成功させた楠さんは、8年目の2012年にワイナリーを設立。当初から「木を植えてからワインを製造するところまでを一貫して行う」というつもりで始めたのだが、最初は委託醸造の道を選んだという。それは、周りの人々に「ここで作ったら美味しいワインができるんだな」ということを納得してもらってから、自分で醸造を始めたかったからだった。
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町ぐるみで育てられた、楠わいなりー
地元へ帰ってきた当初から「須坂でワイナリーをつくるんだ」と周囲の人々には言っていました。かなり期待していただいたようでして、いざ設立という段階で「協力するから」という方が非常にたくさんいらっしゃいました。その方々に助けていただき、ようやく始まったというかたちですね。多くの方に「自分はこういうことがやりたいんだ」ということを共感していただけたということが大きかったなと思います。地道に何年間もぶどうを育ててきた実績で、市からも協力していただきました。
最近嬉しかったのは、2016年に軽井沢で行われたG7のレセプションで、楠わいなりーのシャルドネが使われまして、評判良かったと聞いています。こん須坂で「世界でも通用する品質のワインができる」ということは確信しています。ワインを通じて、ツーリズムなどで地域が盛り上がればいいなと思っています。関連産業をやりたいと思う人が集まってくるような場所になればいいですね。