八丈完榊
奥山 完己さん
東京都八丈島主な生産物:ヒサカキ
「日本の神棚には、日本の榊を祀りましょう!」
艶やかで美しく高品質の榊の素晴らしさを世間に知らしめる
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葉が肉厚で緑が濃く、日持ちの良さが特徴
奥山完己さんは八丈島で「榊」、正式名称「ヒサカキ」を、八丈高校の同級生だった妻の理枝さんと育てている。榊は神事や神棚に欠かせない植物でありながら、中国からの輸入品が90%という圧倒的な市場シェアを誇っている。中国産榊の日持ちは1〜2週間といわれるが、奥山さんの榊は冬場なら2、3カ月持つといわれるほどだ。従来の目方売りから品質で勝負する1本売りに変えた奥山さんは、地域ごとに違う枝の長さのニーズに合わせ、25cm〜1mの間で9サイズ用意するなど、工夫を重ねている。メイン市場の「オークネット」に加え、大田花き、盛岡生花、仙台生花の4つの花市場とつながる花屋からしか購入できないため、市場拡大を望む声が多い。
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国産榊の復活を各地の生産者と力強く推進
種子島の生産者に苗を譲り、現地で指導してから、たった3年で出荷できるようになりました。通常は苗を植えてから収穫まで7〜8年かかるのが常識でしたので、そのスピードに驚いています。八丈榊の新たな産地が増えることはうれしいですね。
現在、花き業も厳しい状況といわれるなか、榊と仏花を大事にする花屋は堅調で、ご愛顧いただいています。選別を徹底し、いつでも安定して高い品質の榊を供給できるように心がけていきます。いろいろなものに興味を持っていますので、あちこちにアンテナを張って情報を仕入れたいですね。サッカーをやっていたので、「ポジションチェンジ」という考え方が常に頭の中にあります。視点を変え、絶えず前進していきます。