「究極の米」とは? 鶴亀を愛でる達人
食味コンクールで入賞することよりも大事なものがある
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「亀と鶴……、欲しい!」、そう思ってしまったんです
「亀の尾」は「東の亀の尾、西の旭」といわれた代表的な米の銘柄で、コシヒカリやササニシキ、あきたこまち、ひとめぼれ、はえぬきなど、大半の品種の先祖にあたる。良食味が特徴だが、現在ではわずかに栽培される程度で、ほとんど市場に出回っていない。一方、「女鶴」という味の良いもち米も収量が少ないために農家から敬遠され、40年ほど前にほぼ全滅してしまった。
亀と鶴という名前に惹かれ、栽培が難しい二つの希少な「幻の米」を復活させたのが佐久間優さんだ。穂の先端の野毛が白っぽい亀の尾とピンク色の女鶴を、「そろうとめでたい紅白になる」と面白がる精神で、無農薬で肥料すら与えず、手塩にかけて育て上げている。
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化学物質過敏症の方にも安心して食べていただきたい
無農薬栽培に切り替えたのち、平成22年ぐらいからは無施肥栽培です。米の作り方を研究して食味コンクールで賞をもらうようになっていましたが、無施肥栽培に切り替えると、何年かかけて肥料の成分がゼロになります。噛んでいると甘みはありますが、米の味がさらっとして、コンクールでうま味のある米としてひっかからなくなりました。「おかずの味をごはんが吸収して、1回ずつフレッシュな舌でおかずを味わえる。飲み込むと口の中がさっぱりとリセットされる」というのが米屋のコメントです。自分のところでとった種で、米本来の味を引き出そうと、農薬や肥料を一切使わずに自然農法で大切に育てた健康米ですので、安心して食べていただきたいです。