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瀬戸内ジャムズガーデン

松嶋 匡史さん

山口県大島郡 周防大島
主な生産物:ジャム

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色とりどりのジャムが、周防大島で実を結ぶ

ジャムへの思いが、形を変え地域全体に伝播していく。そして描き始めた島の新しい未来

妻への事業計画書が、島を動かそうとしている

 「脱サラしてジャム屋をやりたい」松嶋さんが思いの丈を込め奥様に提出した企画書は、周防大島で住職をする義理の父の興味を引き人々の手に渡っていく。関心を集めた結果、脱サラし島でのジャム屋開業は現実のものとなった。
以前はみかんの一大産地だったが、今は高齢過疎化の進む周防大島。「移住後、色々な問題が見えてきました。でもそれを改善しながらこの島で我々も一緒に住んでいきたいと思って、取り組みの一環としてのジャムの役割を考えています」多数の果実が育まれる島で生み出されるジャムの種類は年間170にも及ぶ。そこには人々の思いが詰まっていた。

持続可能な地域経済社会を

 最初の頃は、農家さんが余ったみかんをタダでおいていくことがあったんです。それはありがたかったんですけれど、果たして10年後20年後を考えたときに、それは持続可能なかたちではないなと思ったんです。次の世代が農業を継いでいけるような地域経済社会を作らないと、我々も先がないんだなっていうのが見えてきて。将来に貢献したいということで、普通よりはちょっと高く仕入れるという価格設定をしました。
だんだんと「必要な果物を言ってくれたら俺が作るよ」という方が増えてきまして、ジャム専用に栽培方法までこだわってくださる方には、循環が生まれるように対価をお支払いしています。結果、どんどん新しい種類のジャムが増えていくという面白い循環になっています。

住職半分、いちご半分

 父は以前から趣味感覚で農業をやってはいたんですけど、今は本気で作物を育てていて、楽しくてしょうがないと言ってますね。檀家さんの8割以上は農家ですし、その苦労とか喜びも知ることができたのはすごく嬉しいと言ってました。家がお寺だったからこそ今の形があるし、逆に言うと過疎高齢化した島ではお寺だけでは生活ができないのが実情です。どちらの仕事もなくてはならない存在なのかなと思っています。
島の方々がこのカフェに頻繁に訪れるかと言ったらそういうわけではないんですけど、夏やゴールデンウィークにお子さんお孫さんが帰ってきた時に家族で来てくれるんですね。普段果実を卸してくれるだけの方が、その時にお孫さん達と一緒にケーキ食べている姿を見るのがすごく嬉しい瞬間です。